出会いを過度に期待する事なかれ

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中野くんの言葉に慌てて否定する 「違う、違う、麻衣チャンの事でね。」 「えっ、佐々木さん!? 佐々木さんがどうしたんですか?」 先程の間延びした話し方とは打って変わり、急に動揺を見せる中野くん と、いうのも この中野くん、 無謀にも橘製薬1番人気の佐々木麻衣子に片思い中で、あわよくば私を通してお近づきになろうと見え見えのお誘いをしてくる 取り持ってあげてもいいけど彼女は年下を受け付けない体質らしい 合コンも同い年かそれ以上じゃないとどんなに条件がよくても参加しないほど 負け戦なのは目に見えてる 残念だけど劣勢の陣を後押し出来るほどの知略は私にはない 中野くん、自力で頑張って 心の中で少しも頼りにならないエールを送る 「それではお預かりしますね。 では。」 強制的に会話を終わらせ まだ何か言いたげな中野くんを残し仕事に戻った そうやって 私の一日は終わっていく 家について晩御飯を食べ、お風呂に入る 見たいテレビも無く 読みたい本も無く 時間を持て余しながら 早めにベッドに入った ケイトと別れてからは そんな毎日 正直寂しくないといったら 嘘になるけど もういいんだ 布団の中、 "明日も公園に行って見よう" ふと、思い目を閉じた
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