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私が持っている
コーヒーメーカーは
昔、父が使っていたもの
もう大分古くなってしまったけど
定期的にメンテナンスをしながら毎日大切に使っている
コーヒー好きの父が母に内緒で買ってきたこのコーヒーメーカー
結構いいお値段がしたらしく
珍しく母が怒っていたのを思い出す
でもそんな母もいつの間にか
「お父さんが煎れてくれたコーヒーは世界一よ。」
なんていいながら
いつも二人でコーヒー飲んでいた
私は苦いコーヒーは苦手だから
いつも牛乳をたっぷりいれてカフェオレにして飲んでる
そんな私をみたら父はきっと
「まだまだ子供だなぁ。」
と人の良さそうな顔をして笑うだろう
母は父を虜にしたという自慢の笑顔で
「そのうち、この苦さがたまらないなんて言うようになるわよ。」
そんな事を言うに違いない
でもね
お母さん、
二人の苦いコーヒーは
私にはまだ飲めそうにないみたい
なんでかな?
コーヒーメーカーの横に二つ並んだタンブラーを見ながらそんな事を思っていた
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