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冷たいね?
なんていいながら
またブランコに腰掛ける彼
ギィッーっという金属音が控えめに辺りに響いた
「どのくらい彼女いないんですか?」
「…ひどいね。いない前提なんだ」
私は普段
人にこんな失礼な事は言わない
思っていてもなるべく我慢する
それが大人というものだから
唐突で失礼な私の質問に
彼は気を悪くするでもなく
「俺に興味があるのか?
ななこ。」
急に真面目な口調でそう言った
そんなアオイくんを冷ややかな目で見ながら反論する
「違います。そういゆう意味ではないです。
あと、呼び捨てにしないで下さい。」
さすがに
失礼すぎるかなとは思ったけれどこの際だから言ってしまおう
別に
嫌われても痛くも痒くもないし
「さっきはじめてお顔ちゃんと見たんですが、髭剃ったり髪も切って少し整えたら彼女、出来るんじゃないですか?
今のままだと恋人つくるのは厳しいと思います」
「…………。」
やっぱり怒るよねと
反応を伺っていたら
「ぶっ、ハハハハハハ。」
アオイくんは
お腹を抱えて笑い出した
「ひどいね、
ひどいよ、ななチャン。
やば、笑いすぎて涙出てきた。」
俺、そんな失礼な人はじめて、と
眼鏡を外して涙を拭いながら私を見てきた
やっぱりだ、さっきも見た
この目
そう、さっき近くで見た顔は
意外にも整っていて
アオイくんの目は
男の人なのに
綺麗だった
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