出会いを無下にする事なかれ

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ーーーーー… 翌朝も公園に行くと 昨日と全く同じ状況で彼がいた 服装もボサボサの頭も全部同じ だけど昨日と違う所が一つだけ 「髭、剃ったんですね。」 「おはよ、 うん。昨日ひどい言われようだったからね。頂きます。」 私からコーヒーを受け取りながらツルツルになった顎をさすっていた ちくしょー 肌綺麗だなー こうしてみると 思ったよりは若いのかも いくつだろう 隣のブランコに腰掛けながら聞いてみると 「俺に興味あるの? 好きになっちゃった?」 「いえ、全く。」 即座に否定する 「素直になれよ、ななこ。」 急に真面目な口調になった後、 相変わらずのニタニタ笑いで私をからかうアオイくん なんて扱いづらい なんかめんどくさいし …もう黙ってよう その意図的に作り出したしばらくの沈黙の間にコーヒーを飲み干した彼は 「美味しかったよ、ごちそうさま。 土日はゆっくり休んで、また月曜日にね。」 そう言って少し急ぎ足で公園を去っていった その後ろ姿を見送りながら内心 ホッとする 実は土日まで待たれていたらどうしようと少し怯えていた よかった せっかくの休みだもんね 休まなきゃ 「よしっ。」 今日まで頑張ろう! 気合いを入れ出勤準備をするため私も公園を後にした
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