出会いを無下にする事なかれ

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ーーーーー… 「橘、オハヨウ」 後ろから私の肩をポンッとたたいたのは 整った顔立ちに柔らかい笑顔 ふんわりとセットされた髪 爽やかな香り センスのいいスーツを着こなした 出ました まさに完璧人間 あなたの笑顔で雨降る憂鬱な月曜日も悪くないわ なんて 東野くん 相変わらずいい男だね君は 本当、朝の彼が霞みすぎて かわいそうなくらいに 世の中って不公平ね 「おはよう。東野くん」 でも 東野くんみたいに 髪もちゃんとセットしたら案外似合うかもしれない 意外と整った顔立ちしてるし 眼鏡もはずして …… スーツだって身長も高いからきっと着こなせるかも あ…、 そういえば 今日もちゃんと髭剃ってたな 「橘、そんなに顔見られると…」 ……… ちょっと待って そんな事全くもって どうでもいいじゃないか 彼がダサいままでも私には関係ない 「橘ー?」 「…えっ?あぁごめん。何?」 どうやらアオイくんの事を考えながら東野くんの顔をじっと見ていたらしい 「いや、だから…もういいや。 ……今日もがんばろ?」 そして 昼メシ一緒に食べよう、と 東野くんは 妙に赤い顔をして去って行った
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