出会いを無下にする事なかれ

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お昼 いつもの社員食堂で デザートにと 今朝もらったチョコを広げていた 日替わり定食を食べ終わった麻衣子がチョコレートに手をのばしながら聞いてきた 「相変わらず、おじさんと公園デートしてるんだ」 「デートじゃないよ。やめてよ」 「どんな人?本当、大丈夫?」 俺チョコ食べれないからと お茶を啜りながら目の前の彼が聞いてきた この人のチョコ嫌いは どこかの誰かさんみたいに冗談なんかじゃなく本当にバレンタインが原因だろう 「うん。大丈夫。怪しいけど、無害だよ」 私のこたえに イマイチ納得できないみたいで  まだ何かいいたげで難しい顔をしている彼見ていると 「でもさー、あのマンションに住めるくらいだから、お金持ちではあるのよね。このチョコといいこの前の羊羹といい、どっちも高級品だし」 そう言って麻衣子が 綺麗にアートされた指先で 宝石のように並んでいるチョコをつまんでいた
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