第2話 始まりは突然に...

3/9
前へ
/250ページ
次へ
――――――――――――――― 駅に到着し、列車の入口が開いた途端、学生たちが一気に外へと走り出していく。 その様子を眺め、俺は自身の身に付けている時計を見ながら小さく呟く。 主人公「……そう言えば、今は学校登校時間ぎりぎりの時間帯だったな」 俺は普段通りの足取りで改札を潜り、走り去っていく学生たちの後ろ姿をじーと眺めながら女子中等部へと歩みを進める。 アナウンス「学園生徒の皆さん、こちらは生活指導委員会です。今週は遅刻者ゼロ週間。始業ベルまで10分を切りました。急ぎましょう。今週遅刻した人には、当委員会よりイエローカードが進呈されます。くれぐれも余裕を持った登校を――…」 遅刻しまいと慌て走り去っていく学生たちに向けて学園のアナウンスが流れるが、学生たちの喧噪によって、それはほとんどかき消されている。 勿論、五感が普通の人より優れている俺にははっきりと聞こえていたがな……。 ―――――――――――――――
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2533人が本棚に入れています
本棚に追加