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―――放課後。
暗闇の中で輝く満月のもと、学園都市の桜通りと呼ばれる場所の街灯の上に、二つの影が存在していた。
一つは、頭に真っ黒な帽子を被り、真っ黒なボロ布に包まれた金髪の少女。
一つは、フードを深く被った全身黒づくめの男。
エヴァ「あれは……宮崎のどかか」
街灯の上に立つ少女は、桜通りを通る一人の女子中学生を見て、そう呟く。
満月の夜―――それは、少女の魔力を少し回復させるには十分である。
少女は黒づくめの男に鋭くなった犬歯を見せ、ニィっと笑う。
咲夜「……わかっているんだろうな?…手は出すなよ」
エヴァ「ああ、わかっている。…小僧を誘き寄せるために気絶させるだけだ」
咲夜「…ならいい」
黒づくめの男は静かにそう言うと、街灯の上から闇に溶け込むように姿を消す。
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