第14話 来るべき日前の平穏

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――――――――――――――― 【咲夜side】 ―――翌日。 いつものように一日の授業を終え、生徒たちが部活動に励む時間帯に俺は突然、何の前触れもなく学園長に呼び出されていた。 まぁ、呼び出されるような悪いことをした覚えはないが、心当たりは充分にある。 ……十中八九、昨日のことであろう。 15年間もの月日、真祖の吸血鬼の力を封じ込めていた呪いが解けたのだから、学園長が黙っているわけがない。 大方、昨日、エヴァの呪いを解いた時、エヴァの魔力を感じ取った学園側の魔法関係者がその場に居合わせた俺のことを学園長に報告でもしたのだろう。 俺はそう当たりを付け、既に昨日の内に幾つか考えていた言い訳を思い返しながら、学園長室前まで辿り着く。 コン、コン… 学園長「入りなさい」 咲夜「……失礼する」 学園長室のドアをノックし、学園長の声を聞いてから俺は部屋へと入室する。 そして、その場に居たのは、最奥に座る学園長を筆頭とし、悠久の風(通称AAA)所属の魔法先生タカミチ・T・高畑、CQCを得意とする魔法先生ガンドルフィーニ、風魔法を得意とする魔法先生神多羅木【かたらぎ】、京都神鳴流剣士の魔法先生葛葉刀子【くずのは とうこ】といった麻帆良学園裏側の面々だった。 恐らく、未知数の力を持つ俺に対する抑止力のつもりなのだろう。 ……まあ、念のために慎重を期しただけなのだろう。 ―――――――――――――――
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