第14話 来るべき日前の平穏

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――――――――――――――― 自宅を出てすぐ側にある図書館島の館内へと入り、比較的安全な区域の本を何冊か借り、読書スペースで静かに本を読み漁る。 咲夜「………」     「……………」 館内に誰もいないため、読書スペースは静寂に包まれ、本の頁を捲る音と咲夜一人の息遣いのみがが辺りに響く。 ―――いや、正確に言えば、俺の他にもう一人分の息遣いが微かに聞こえる。 ……どうやら、俺に監視役が付いているらしい。 咲夜「ハァ…」 俺は小さくため息をつくと、読み終えた本を片付けに読書スペースを離れる。      「………」 監視が付いてくるのを気配で確認し、監視の死角に入った途端、俺は瞬時に空間を歪曲させ、その場から転移する。 監視「…っ!?…ど、どこにっ!?」 その場を転移し、監視の姿を確認した俺は再び空間を歪曲させ、監視の後ろに転移する。 そして、慌てている監視の後ろから、静かに声をかける。 咲夜「……後ろだ」 監視「っっっ!!!!?」 俺が声をかけると、監視の女は、慌てて此方に振り返り、さっと距離を取る。 咲夜「…っ、あんたは……」 監視「…バレてしまったわね。……隠密行動には結構、自信があったのだけれど」 ―――――――――――――――
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