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【咲夜side】
―――時刻は午後7時59分。
既に日は沈み、辺りが闇夜に染まる中、学園内停電の放送が学園内に響く。
アナウンス「―――こちらは放送部です……これより学園内は停電となります。学園生徒の皆さんは極力外出を控えるようにしてくださ…」ザザッ…
そして、時刻は8時となり、学園内の電力が全て落ち、辺りは完全な暗闇と化す。
―――それは、学園内を覆う外敵の侵入を阻む学園都市結界にも影響を及ぼし、学園内への侵入を目論む者たちが一斉に動き出す合図となる。
もちろん、此方側もそれに合わせてそれぞれの場所に待機し、既に迎撃準備はできている。
少し前にあった学園長からの連絡では、北に神多羅木教諭、西に葛葉教諭、東にガンドルフィーニ教諭と弐集院教諭、中央(司令部)に明石教授といった魔法先生がそれぞれの場所に配置されているらしい。
……そうなると必然的に俺は南に配置されることになり、AAAに駆り出されて不在のタカミチの代わりにこの場所を指揮する存在(南戦線指揮官)となる。
この場に居るのは、有力な魔法生徒や戦闘能力の低い魔法先生を中心とした比較的場慣れしていない者たち(知り合いで言えば、高音や愛衣、瀬流彦教諭や櫻井教諭など)で固められている。
因みに、高音や愛衣は戦闘経験は少ないものの実力は確かだし、瀬流彦教諭や櫻井教諭も戦闘能力は低いものの実戦経験はそれなりに積んでいるため、問題ないとは思う。
一部、俺の知り合い連中の中には戦闘経験が豊富な奴ら(真名や刹那など)も居るが、それらの数はあまり多くない。
……おそらく、こういうイベント(学園都市計画停電)を機会に場慣れしていない奴らを投入し、少しでも場の空気や緊張感などに慣れさせようという学園長の思惑があるのだろう。
まあ、万が一のことも考えてか、この南側の戦線には学園長の目(実際、いつか見たゴーレムがこの場に居る)も光っているので、問題はないだろう。
危なくなれば直ぐにでも援軍が投入されるはずだ。
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