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咲夜「…っ!?……遅延魔法【ディレイ・スペル】かっ!?」
―――放たれた魔法は、魔法の射手【サギタ・マギカ】連弾・闇の199矢【セリエス・オブスクーリー】。
遅延魔法【ディレイ・スペル】とは、予め呪文の詠唱を行い、時間指定後にその魔法が発動するようにするという魔法だ。
恐らく、俺が飛鳥に気を取られている間に予め魔法の射手【サギタ・マギカ】を詠唱をしていたのだろう。
……それらの大量の魔法全てを異能無効化能力で消し去ることはできない。
そのため俺は、空間操作能力を使って空間を移動し、魔法の攻撃範囲から逃れて蛟の背後へと一瞬で移動する。
ヒュン!!!
俺の左手には既に魔導書はなく、両手でしっかりと握り締められた夜桜が蛟に向けて振り抜かれる。
―――しかし
蛟「―――ワシがいつ、接近戦ができぬと言ったっ!?」
咲夜「っ!!?」
ガキィィィィン!!!
振り抜かれた夜桜は、いつの間にか人型の姿から悪魔本来の姿に戻った蛟の鋭い鉤爪によって受け止められ、俺は咄嗟に後ろに跳び退こうとする。
ヒュン!!ヒュン!!ヒュン!!
だが、蛟の三叉に分かれた槍のように鋭い尻尾による刺突が俺に向けて襲いかかり、追撃をかけてくる。
咲夜「(……ちっ、流石に爵位持ちの悪魔3体を相手にするのはキツかったかっ!!?)」
そう思い、心の中でもう一度、舌打ちを漏らす。
空間操作能力を使って回避したいところだが、この能力は連続して使うことはできないため、一度、使用したら数分のクールタイムというものが必要だ。
……つまり、空間操作能力を使うことはできない。
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