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咲夜「…ハァッ!!」
ヒュン!!!ガキィィィィン!!!ガキィィィィン!!!
咄嗟に夜桜で蛟の攻撃の二つを迎撃するが、最後の一手に迎撃の手は追い付かない。
―――そして、槍のように鋭い蛟の尻尾は、俺の体を貫く寸前で‘何か’に弾かれた。
ズガアァァァァァンッ!!!
蛟「ぐぅっ!!?」
咲夜「っ!?」
―――遅れて耳に届いてくる銃弾の音に、俺は心強い味方が居たことを思い出す。
咲夜「(……っ、真名か。…助かった。後で餡蜜でも奢ってやろう)」
……真名が俺の援護に来てくれたということは、他の南側各防衛地点の侵入者は粗方、片付いたのだろう。
だが、魔法生徒でありながら戦闘経験の豊富な刹那がいるB地点はともかく、まだまだ戦闘経験の少ない魔法生徒を中心に固められた(高音や愛衣がいる)A地点や戦闘能力の低い魔法先生を中心に固められた(櫻井や瀬流彦がいる)C地点までもう既に片付いているというのは少々驚きだ。
……まさか、ここに来た奴らは囮のただの先遣隊で、本命の主力は別の場所に…?
―――いや、今は目の前の敵に集中することにしよう。
ただ、俺が考え過ぎなだけかもしれないしな…。
ズガァァン!ズガァァン!ズガァァン!
そう思案している俺を余所に、真名による援護射撃が容赦なく蛟を襲い、奴の動きを制限する。
俺はその隙を突き、今度は油断なく蛟へと斬りかかる。
咲夜「っ!!」
ヒュン!!!ヒュン!!!ガキィィィィン!!!
連続で2つの斬撃を蛟に浴びせるが、それは蛟の硬く鋭い鉤爪のような手腕によって受け止められる。
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