プロローグ 終焉と始まり

5/5
前へ
/250ページ
次へ
――――――――――――――― 幼女「…おき…っ!!…ね…、お…てよっ!!……おに……ゃんっ!!」 意識を失う寸前、頬に温かい雫が落ちる。 不思議なことに、体にほんの少しの活力が戻り、重いまぶたを開けることができた。 若干、霞む視界の先に居たのは、妹によく似た幼女―――いや、妹が居た。 主人公「……よぅ…げん…き、か…?」 幼女「っ!?…おにぃちゃん!!お願い、死なないで!!可愛い妹を残して逝ったら、ダメなんだからねっ!!!」 長年、慣れ親しんできた声が耳に響く。やはり、あの幼女は妹だったようだ。 ……身を呈して助けてよかった。 主人公「…怪我は……ない…か…?」 妹「うん、大丈夫だよっ!!だから、おにぃちゃん!!しっかり―――……」 ―――そうか、よ…かっ…た…。 妹「っ!!?おにぃちゃん?おにぃちゃん!?や、やだ、やだよぉ……。…おにぃちゃあぁぁぁぁぁーんっ!!?」 20××年■■月■■日。 ―――彼はこの世を去った。 ―――これが、彼の物語【人生】の本当の始まりだということにも気付かずに... ―――――――――――――――
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2535人が本棚に入れています
本棚に追加