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幼女「…おき…っ!!…ね…、お…てよっ!!……おに……ゃんっ!!」
意識を失う寸前、頬に温かい雫が落ちる。
不思議なことに、体にほんの少しの活力が戻り、重いまぶたを開けることができた。
若干、霞む視界の先に居たのは、妹によく似た幼女―――いや、妹が居た。
主人公「……よぅ…げん…き、か…?」
幼女「っ!?…おにぃちゃん!!お願い、死なないで!!可愛い妹を残して逝ったら、ダメなんだからねっ!!!」
長年、慣れ親しんできた声が耳に響く。やはり、あの幼女は妹だったようだ。
……身を呈して助けてよかった。
主人公「…怪我は……ない…か…?」
妹「うん、大丈夫だよっ!!だから、おにぃちゃん!!しっかり―――……」
―――そうか、よ…かっ…た…。
妹「っ!!?おにぃちゃん?おにぃちゃん!?や、やだ、やだよぉ……。…おにぃちゃあぁぁぁぁぁーんっ!!?」
20××年■■月■■日。
―――彼はこの世を去った。
―――これが、彼の物語【人生】の本当の始まりだということにも気付かずに...
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