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呻き声を上げながら、私は自責の念に駆られる。
思考が自身への恨みと運転手への恨みで支配され、深い憎しみを胸に抱く。
あぁ……私は何てことをしてしまったんだ…。
あの時、私がもっと早く居眠り運転手に気付いていれば……!!
あぁ……あの居眠り運転をしていた男が忘れられない。
憎い、憎い、憎い、憎い、憎い。
私と兄から幸せを奪っていった男と自分自身が憎くて仕方ない。
そんなことを考えながら、私はふと気が付く。
いけない。いけない。
思考が悲しみから強い憎しみに変わるところだった。
復讐は、虚しさしか残さない。
もし、そんなことを私がしても、兄は戻って来ないのだから――。
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