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「えっ…」
視線が微かに反らされ宙をさ迷う
ほんの一瞬の事でよく見ていなければわからなかっただろう
そのくらい動揺を見せたのは一瞬ですぐに先程と変わらない真剣な表情へと戻る
その様子を見て俺の中にある違和感が確信へと変わる
俺の知らない、俺には知らされていない秘密があるのだ
そして、それを知るきっかけを俺にお姉さんが与えてしまった。
その事でお姉さんは焦りを感じているのだ
俺に知らされていない俺の知らない事とはなんだ?
「僕の事です
聞いても別に問題はないでしょう?」
「確かにそうですね…
けれど私はあまりきちんとした事を話されているわけではないので
ギルド長に直接聞いて頂けませんか?」
「…わかりました」
これ以上聞くことは出来ず、特訓へと戻る
何時間か同じ練習をして今日は終わりとなった
アキトの体は傷だらけで息もだいぶ上がり、終わりを告げられると同時にその場で座り込んだ
「大丈夫ですか?
流石に初日にやり過ぎてしまいましたかね?
私はかなりすっきりしました」
…そう、このお姉さんは途中から特訓ではなく鬱憤晴らしを俺でし始めたのだ
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