タランチュラも…空を飛べる!!

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「どうした?」 何も知らないおっさんは首を傾げている 美少女がやれば可愛くなるのだろう… おっさんがやると…うん。 こうも気持ち悪くなるんだね… おっさんは決して男の中でも、可愛いとは言い難く、敢えて言うならば それなりに筋肉のついた、だからといって筋肉があり過ぎない体格の強面系おじさん だ。 だから、可愛さはない そう、可愛さはないのだ!! 「アキト様が変態様に御座います」 メイド長さん、 変態に様はいらないぞ 更に俺は変態ではない 少しヤンチャな男子高校生さ! 「それは仕方がない それがアキトの個性なんだ」 おいおい待てよ それは何のフォローにもなっていなければ ジョークにもなってねぇよ それを聞いてメイド長さんは「そうですか…」と呟く その顔はなんだか嬉しそうで、同時に何処か雰囲気は悲しそうに感じた 「初めててです… その… …いつも 周りの人は私を疑うのです こいつは変だ と。 話してもいないのに思ったことが通じたり、あまりにも気が回り過ぎる… 始めの頃はただの違和感が、だんだんと疑問にそして最後には恐怖になるそうで… そして異能の事を話すと離れていくか 急に心を閉ざしてしまうのです 私はなるたけ"普通"を演じました。 けれど、異能を持っている人間は元から"普通"にはなれないのです。 どんなにそう演じても今までが私の"フツウ" ですから、なりたくてもなれないのです。 なので、アキト様の様に今までと変わらずに接してくださる方は初めてで…」 そう言うメイド長さんの目にはうっすらと涙が浮かんでいた 俯いたメイド長さんからは小さな小さな泣き声が聞こえてきた 「メイド長さん…」
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