491人が本棚に入れています
本棚に追加
ーーーーーーー
コンコン
「‥‥おはようございます。アキト様」
ノックと共に扉が開かれ、メイド長のチファが起こしにくる
時刻は朝の4時半
まだ外も真っ暗。
きっと多くの人がまだ寝ている時間だろう
「‥おはようございます」
ベットから体を起こすと、目から涙が零れ落ちた
「あ‥‥れ‥‥?」
なんでだろう‥。
思い出せないが、凄く悲しくて、寂しい夢を見ていた気がする‥
涙は自分の今の思いとは裏腹にポロポロと溢れ出る
「アキト様‥‥」
涙を流すアキトの姿を見たチファが優しく抱擁する
「え‥?チファさん‥?」
「アキト様、大丈夫です。大丈夫ですよ」
抱擁をしながら、優しく温かみのある声で励ましてくれる
その声がとても穏やかで、チファさんの体温が温かくて、心の中のモヤモヤや悲しみが少しずつ流されていくようだった
「‥チファさん、ありがとうございます
もう大丈夫です」
「良かったです」
ゆっくりとチファがアキトから離れ、2人の目が合う
‥‥チファさんって睫毛長いな
「‥‥。
アキト様、朝食のご用意が出来ております
昨日と同じ場所で待っておりますね」
チファは微笑み一礼すると、部屋から出て行った
最初のコメントを投稿しよう!