始まりました

2/3
前へ
/160ページ
次へ
学校の帰り道 イヤホンから流れてくるリズムの良い音楽と 電車の揺れが同調して 心地よさと眠気がやってくる 最寄り駅まであと3駅。 寝れない…よな 残念だなと思いながらホームへと降りる 改札を出るとすぐに坂があり 上がりきると商店街が続いている 商店街にあるゲームセンターでは学生が楽しそうに遊んでいる 商店街を抜け 同じ様な家が建ち並んでいるところを歩く ある家の前に立ち止まった その家は他の家と変わらず古くも新しくもなく 特に目立つことのない家。 表札には『高田』と書かれている 高田 晶人(タカダアキト)の家である 「ただいまー」 …反応なし。 「いつも 言いなさいって言ってくるから、せっかく言ったのに今日に限っていないとか…タイミング悪いよな」 とブツブツと言いながら自室へと向かうべく階段を登っていく 「あっ、やべっ、鍵閉め忘れた」 ついでにリビングからお菓子でも持って行こうと考えながら、鍵を閉めに階段を下りる 「そういえば‥あれ?入る時、鍵使ったっけ?」 少しの違和感を抱きながら、ドアに向かって行く。 いつも通りすぎて、自分が開けたのかも、閉めたのかもわからなくなってしまうとは‥。 「あれ?鍵閉まってる」「動くな」 自分の独り言と重なるように、男の声が被さる それと同時に背中に固い何かがあたり「ガチャ」とも「カチャ」とも言い難い重みのある音が聞こえた 首だけ後ろへ向けると明らかに怪しいマスクを着けた男と目が合う。強盗だ。 よりにもよってなんで俺の家なんだよ… 「えっと…どちら様でしょうか? 母なら外出していると思います。 なので後日またk」「うるせぇ」 再び話している途中に男が被せてくる さっきから人の話の途中で被さるのってわざとだよね 絶対わざとだよね。‥うざいな。 っていうか動くなって言われた直後に首だけだけど動かしたのにそこは何も言わないのかよ。 とか心の中でツッコミをしてみたりしてみなかったり‥ あぁツッコミたい… でもこれ以上巻き込まれるのは御免だからな… でも…!
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

491人が本棚に入れています
本棚に追加