せいっ!

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「あの…つかぬことを聞きますが‥ この世に円というものはありますかね?」 「?エンですか ありませんよ」 円?何それおいしいの? みたいな顔をされてしまった… あーどしよ? 今の状況は… 俺ほぼ無一文状態。 だが洋服買いたい だがお金ない 買えないって事は‥盗むしか! ってだめだ!絶対にそれだけはだめだ! 落ち着け俺 きっと他の方法が何処かにあるはずだ …。 思い付かないぃぃ 「あのお客様 50000ポントスありませんか?」 円があるかと聞いて以降 一言も発しなくなったことを不自然に思ったらしく 店員が洋服を自分の手元へと少しずつ引き寄せていく 買いたいが、無一文じゃ諦めるしかないか‥。 「‥洋服買うのやめます」 「いやここは私が払うよ」 俺と店員の様子を見て察したのか、ジクスさんが自分の服選びをやめ、会計の方へと向かってきた 「門番さん‥」 「門番だけど‥ジクスね」 と言ってジクスさんがお金を払うために財布を出した 「いや、でも…町の案内もしてもらって、家にも泊まらせてもらうのに、これ以上は」 「いや、構わないさ 今買わなければ君は働いたりして稼がない限りずっとそのままの格好だろう?」 「それは…そうですけど‥」 「じゃあ決まりだ。ここは私が払わせてもらうよ」 「何から何までありがとうございます。門番さ‥ジクスさん」 「いやいや構わないさ」
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