せいっ!

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「じゃあ、君は小さな山奥の町に住んでいて 魔法が使えなくて一定の歳になったから 町から追い出されてしまった ということかい?」 「まぁ、そんな感じです」 少しぼかし過ぎたみたいで 悲劇の少年になってしまったようだ 仕方ないか 神が仕事を放棄して卓球をしていたせいで影響が出て、死んで転生してきました なんて言ったところで絶対に信じて貰えず 変な目で見られるのは目に見えているからな 「そうか…辛いことを聞いてごめんね」 「いえいえ 気にしてないので大丈夫ですよ じゃあ僕は夕食を作りに行きたいのですが」 「ああ、そうだね。案内するよ」 案内された調理場はこれまた広く 道具も具材も一式揃っていた ここにある全てのものを自由に使っていいと言われ 上機嫌になった俺は鼻歌を歌いながら 次々と作っていった。 料理は元いた世界でも作る機会がたまにあったので、得意分野でもあるのだ 結局、上機嫌になり次々と作りあげていくと、とうてい2人では食べきることの出来ない量になってしまった 「どしよー作り過ぎてしまった‥」 なんだかこの世界に来て、このたったの1日で「どうしよ?」と悩む回数が増えた気がする
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