鳩ポッポッー

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「うぅっ‥ ‥ジクスさん? どうしたんですか?」 馬乗りになったままジクスさんが顔だけこちらを向け話出す。うっすらと目には涙が溜まっているようだ 「大変だよ‥大変なんだよ‥!! アキト君! 私のお昼が無いんだよ」 「あぁ‥夢か」 「夢じゃない! 本当に、本当に無いんだよ」 「く…首…とれ…る」 ジクスさんに首を掴まれ左右に激しく振られる俺 苦し…い! 「ジクスさん…!」 叫びにも似た声で名前を呼ぶと 俺の顔が青白くなっているのに気がついたようで 首から手を離した 頭ガンガンする… 「ご、ごめん‥」 「いえ‥大丈夫です‥ それでジクスさん どうしたんですか? こんな早い時間に、しかもそんなに慌てて」 「アキト君は今日から学校に行ってしまう 私は最近ずっとアキト君に食事を作ってもらっていたろう? だから、料理人もこの家からいなくなってしまった でもアキト君は今日から学校に行ってしまう 私のお昼は? 私は食べることが出来なくなってしまうのだよ!! どうしよう、どうしよう!!」 「あぁ‥そのことか そのことなら心配ないですよ 僕が作っておくので、お昼にはそれを食べれば大丈夫です」 「そ、そうだったのか… ごめんね、叩き起こすようなことをしてしまって」 いやいや叩き起こすとかそんなに可愛らしいものじゃなかったよ? 危うくお花畑に行ってばあちゃんに会うところだったわ! え?お婆さんお亡くなりになってるかって? いや、ピンピンしてる 向こうにいて会う度にサンドバッグにされてたよ 結局その後眠ることが出来ず起きて近くを散歩することになった お陰様でとても授業が眠くて深い眠りについていたようだ
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