オーブンブブブン♪

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「うっ…!」たまらず、その場に踞る けれど村の人々は何かわからない何かから逃げるのに必死で、立ち止まり気にかける者はおらず やっと痛みが小さくなり逃げる事が可能になった時は辺りに誰もいない状態となっていた 「グオオオオォォ」 前を見ると人とはかけ離れた者、魔物がいた 今から逃げるというのは不可能で、敵との距離は約数十メートル 魔物の脚は長く、耳は地面まで垂れ下がっていた 数十メートルも離れているにも関わらずかなり大きく思えた きっと、逃げても直ぐに追い付かれて殺されるだろう だからといって戦って勝てる可能性なんてまったくない 更には痛みも完全に無くなったわけではないため精々攻撃されても一回避けるのが精一杯だろう 分が悪過ぎる 何か盾となる物がないか辺りを見回すがそれも虚しく特にない 自分の所持品 ジクスさんに渡されたお金 ビラが数枚 お昼の時に使わずに残ったナプキン一枚 キーホルダー のみ さてどうしようか? 唯一良かった事と言えばギルドの人がこの村に来ていること それまでの時間、倒す事は出来なくても殺されないようにすればいいんだ ゆっくりと、けれどいつでも動ける体勢へと動く その間にも魔物は何時攻撃しようかと此方の様子を伺っている 「グオォォォォォォオオオ」
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