オーブンブブブン♪

12/90
前へ
/160ページ
次へ
ーーーーーーーー 「グオォォ」と言い俺の頭に魔物が足を落とす瞬間 右手を地面につけその手を軸に体を捻り間一髪でなんとか避けることは出来た だが次はそんなに上手くいく事などないだろう‥。 頭に当たることなく地面へと足は落ち、そこの地面は下へと深く食い込んでいた 「くっそ!!!なんでギルドの人来ないんだよ! ガセかよ!あー!くっそっ!!! どうすればいいんだよ!!もう!どうすればいってんだよ…」 自然と涙が溢れ出ていた。 どんなに悩んでも良い案は出てこなくて、寧ろ悩めば悩むほどにどんどんと焦りを煽るだけ、今まで平凡な日常を送っていまアキトにとって限界だった。 今、魔物が何をしているのか何処にいるのかさえもまともに分からない状況にまで落ちていた 「アキト君!」 少し遠くの方から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。 今朝会ったはずなのにとても懐かしくて、 その声をもう何年も聞いていない様な感覚さえもした。 「‥ジクスさんっ!」 魔物が目の前にいて自分が殺されそうになっていることなど頭から抜けて 後ろを振り返ってジクスの方を見た 「アキト君早くこっちに!」 「うん!今行く!」 大切な人の元へと向かおうと、立ち上がり駆け寄ろうと 足に力を込める だが、上手く行かずに座り込んでしまう 「‥アキトくん?」 なかなか立ち上がらないアキトの様子を見て、不安そうに声をかけるジクス すぐ近くに大切な人がいるのに、近づけないその悔しさや、ジクスさんに会えた安堵感で再びポロポロと涙が溢れでる 「‥ごめん‥ごめんなさい ジクスさん…俺、ジクスさんに会えて安心したみたいで… 足に力が入らなくなっちゃった‥ で、でも俺は大丈夫!大丈夫だから! だから!だから、ジクスさんだけでも早く逃げて?」 「大丈夫!? 涙流しながら大丈夫って言われて誰が信じると思うのさ! それにそんな悲しそうな顔をして逃げてなんて言われて逃げられるわけないだろ! 一緒に帰ろう、あの家に 無事に帰ってそして一緒に食事でもしながら今日のことを笑い話にでもして… あの時は恐かったねなんて話しながら楽しく過ごそうよ 嫌だよ、あの家に一人になるのはもう嫌だよ だからさ今そこに行って手を「グオオオオォォォォ」アキト君!逃げてっ!」 「あ”あ”ぁ”ぁぁぁ」
/160ページ

最初のコメントを投稿しよう!

491人が本棚に入れています
本棚に追加