オーブンブブブン♪

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次第に周囲の建物も焼け始め、辺りには焦げた香りが充満する 魔物は末端からどんどんと灰になり散り始め、もう殆ど残っていない 「あはははっ なんて簡単なんだろう!! そうだよ全部ぜーんぶ壊しちゃえばいいんだよ あははははっ!! こんな場所、全部壊して無くしちゃえばいいんだよ! こんな世界どうでもいい! こんな世界、どうなってもいい! ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ!!! 壊しちゃえ! なんにも無かったんだ元から何にも! 壊すのってこんなに簡単なんだな!こんなに簡単に壊れるなんて!あっけない!!脆い!! そんなものを大切にしてたなんて馬鹿みたいだ! そんなもの大切にする必要なんてなかったんだ! あははははっ 壊しちゃえどんどんどんどん壊しちゃえ!」 周辺の建物はほとんど倒壊し、あちこちで炎が上がる 「‥哀れな少年よ」 いつの間にかアキトのすぐ側には1人の男が立っていた 「誰あんた? まあいいやどうせ、ぜ~んぶ壊しちゃうんだから! お前もその内燃えて死ぬんだろ? あははははっ」 「それは目の前にいるその人の過ごしてきた時間も思い出も、その人が生きていた証も 全部消すことになるんだぞ」 「…それは… …いいよ。 無かったんだそんな物、元から無かったんだよ! 全部夢なんだ! きっと起きたら元通りに戻ってる 俺は元の世界で普通の高校生で、母さんといつも通りの生活を送ってるんだよ 元に戻るんだよ!!」 「夢じゃない! 壊したら、無くしたら 少年がその人と過ごした物も全て消すことになるんだぞ」
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