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その沈黙を破るように1人の男が話し出した
「‥わかっている
確かに誰も見ていない
だから全てを彼のせいにするのはいけない
だがこれ以上この村に災厄を持ってこないでくれ
俺達のこの村に!
頼むからこれ以上この村を巻き込まないでくれ
君が来る前までは平和だったんだ
君が来なければ平和だったんだよ
今日でなくていい。
だが明日…明日にはこの村から出ていって欲しい
頼む。この通りだ」
そう言いその男は頭を深く下げた。
まるで村人の気持ちを代表しているようで、その男の言葉に頷くものは多くいた
その男は以前、村に入る時に会った2番目の門番だった
「…わかりました
‥ジクスさんをよろしくお願いします。
申し訳ないです。」
村人に頭を下げジクスさんの家へと向かう
「ちょ、アキト待てよ」
テッラがアキトの肩を掴んだ
「‥ごめん」
テッラの手を肩から除け、そのまま振り返ることなく歩くアキト。
その後ろ姿には深い影が落ち、とても同学年には見えず、テッラはなんと声をかければいいのかわからなかった
「アキト…」
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