オーブンブブブン♪

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入る時とは違い静かに、誰にも会うことなく村を後にして歩きだす ‥最後はめちゃくちゃになったけど、凄く楽しかった。 ベヒとかいう魔物に追いかけられて、逃げた先の村の門番がジクスさんで、出会いは最悪で‥ でもベヒに追われたからこそジクスさんに出会えたんだと思ったらなんだかそれさえも特別な思い出になっていた ラザニアが大好きだったジクスさん 俺の登校初日はお昼が食べられないかもとかで、「ラザニャ」とか言いながら俺の上に降ってきたんだよな 歩きながら、ジクスさんとの、この村との思い出を思い返していたら「少年」と声を掛けられた。 声の方を振り返ると昨日の急に現れたかと思えばすっと消えたあの男がいた 男も村から出ていくようで長く重そうなコートを身に纏っている 「少年何処かに行く予定でも?」 「…ないよ あの村から外に出たこと一度もないし 昨日の今日だと流石にね」 「ほおそうか。 少年よ、落ちついたようだな」 「昨日よりかはね 家で泣いて、泣いたら悲しいけど少し受け入れられた気がする」 「それは良かった それで私の村に来る気はないか? この国一番大きい都市、ディルという所だ」 「‥‥いや、遠慮しておく」 「まぁ、そうだろうな だがどうするつもりだ? 其処らで飢え死にでもして折角助かった命を無駄にするのか? 別に私は構いやしないがね 少年が何処で生きていようが何処で死んでいようがね」 「なんだよその言い方 喧嘩売ってんの?いつでも買うけど」 「馬鹿馬鹿しい 第一にして少年が勝てる訳がないだろう」 「そんなのやってみないとわかんねぇだろ それに昨日のあれ 全部俺がやったんだけど?おっさんだって見てただろ 俺、壊すのは得意みたいだから‥勝てるよ」 「馬鹿な少年だな、考えろ あれはただ力が暴走しただけだろう? 自分では抑えることさえ出来ずに 泣いてすがり付いてきたくせに 笑わせるな」 「じゃあやってみる?」 「いいだろう相手してやる このギルド最高ランカーのフィガロに勝ってるものなら勝ってみろ この意気がった愚かな少年よ」 「…おい 待てよ 今なんて言った?」 「この意気がった愚かな少年よ か? そんなことでキレる「違う。その前だよ」‥なんの事だ?」 「今おっさんさ、 ギルド最高ランカーって言わなかったか?」
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