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シチリア「…っ!!炎の壁…何それ!あたしをどうしようって言うの?」
ミル「どうもしませんよ、ここを通らずにあの人に会ってくれるなら。
…私、魔女なんです」
シチリア「魔女って、昔わんさか居た冒険者とか兵士とかで魔法使ってた人たち?
そんなの、もう我がアルメリアには居ないわよ」
ミル「ええ、忘れ去られた存在ですから。
私は、隠し立てするつもりなんてないですけどね」
シチリア「魔女の家に連れ込まれた上に、一方的に
会ってほしい人がいるだなんて、
どう考えても怪しい匂いぷんぷんよ。
ついでにこの部屋も嫌な臭いしかしないし」
ミル「私にとっては、貴方も含めてすごくいいにおいですよ」
シチリア「うっさいわね!一週間近くも逃げてたらお風呂も
水浴びも出来ないに決まってるじゃない。
…嫌なこと思い出しちゃったわ。出る前に
体洗わせなさいよ!」
ミル「お風呂なら喜んでお貸ししますよ。
でも、ここから出るなら私についてきてくださいね♪」
シチリア「…埒が明かないわ。とりあえず、その人と会えば
後は帰っていいって言うんなら、会ってあげる」
ミル「分かりました。でもきっと、気持ちが変わると思いますよっ♪」
シチリア「嫌に自信満々ね。あたしはそう簡単にだまされないわよ。
さ、早くお風呂用意して!」
ミル「はーい、ちょっと待っててくださいね」
ミル、水を汲みに去っていく。
シチリア「…変なトコ来ちゃったなぁ…最悪。
少佐、無事なのかな…もしかしたらあの傭兵が…
シチリア「なんであたしだけ…やだよ、一人は嫌…少佐、少佐ぁ」
一章:『漂着』了
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