2章『邂逅』

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□ヴァルトハイム伯爵の邸 門の前にミルとシチリアが立っている。 ミル「こちらが、カルデン領主ヒャルマル・フォン・キージンガー・    ヴァルトハイム伯爵のお邸です。私たちは単に伯爵様とか、    領主さんとお呼びしてますけど」 シチリア「これまた、嫌に長ったらしい名前ね。      で、その伯爵様ってのが会わせたい人なの?」 ミル「当たらずとも遠からず、といったところですね。    シチリア少尉に会っていただきたいのは、その    娘に当たるザビーネちゃんですよ」 シチリア「貴族のお嬢様に会えって言うの?      ますます訳分からなくなってきたわ」 ミル「会えば分かるというものですよ、さぁ入りましょう」 ミル、慣れた手つきで門を押し開ける。 そこへ庭先で掃除をしていたメイドが駆けつける。 メイド「あぁ、ミルちゃん!無理しなくていいですよ、私が開けます」 ミル「いえいえ、大丈夫ですよ。今日はお客さんを連れてきたので、    邸の中で準備をしてくださるとうれしいです」 メイド「お客様?珍しいですね…この方ですか?」 メイド、シチリアを興味深そうに眺め回す。 シチリア「…ジロジロ見ないで!なんか変なものでもついてる?」 メイド「いえっ、そう言うつもりではないですけど…すみません」 ミル「身構えなくて大丈夫ですよ、この邸の方は皆いい人ですから」 シチリア「変態の知り合いっていう時点で信じられないわよ」 メイド「ミルちゃん、相変わらずの言われようですね…」 ミル「大丈夫、事実ですから。それじゃ、そろそろ入っても良いですか?」 メイド「はい!私使用人のイングリットと申します。お客様、     どうぞこちらへ」
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