2章『邂逅』

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□ザビーネの部屋 ザビーネ、鍵を回して部屋の戸を開ける。 ザビーネ「さ、皆座って」 めいめい、ソファに腰を下ろす。 ザビーネ「さて、それじゃ始めようか…」 メイド「(ドア越しに)お嬢様!エド君がお見えですよ!」 ザビーネ「分かった!ごめんね、迎えに行くから皆もう少し待ってて」 ザビーネ、外へ出る。 シチリア「エド?もしかして…」 ミル「ええ、あなたを見つけて、助けてくれた男の子ですよ」 シチリア「うそ!って事はあいつも、ここにいる皆と知り合い?」 ミル「そうですよ。彼、とてもいい子なんです」 シチリア「…きっと変人に違いないわ、      それか変人に取り込まれた苦労人というパターン…」 ヒャルマル「そのどちらでもないかな。変人の中に生きる純朴な青年だよ」 シチリア「それって、単になされるがままってことじゃないの?」 ヒャルマル「はははっ、手厳しい突っ込みだね。まぁとにかく、       来るまでゆっくり待とうじゃないか」 しばらくして、ドアが開く。 エドを連れてザビーネが入ってくる。 ザビーネ「皆、お待たせ」 エド「おっす。突然来て申しわけないです」 ヒャルマル「とんでもない、歓迎するよ。ささ、座って」 エド「おじゃまします。よっと…」 エド、シチリアの隣に座る。 シチリア「…はじめまして、じゃなかったわね」 エド「おっ!元気になったか?」 シチリア「元気になったけど、別の意味で気持ち悪くなったわ」 エド「ミルの家も、慣れれば居心地が良くなるぜ」 シチリア「あんた、完全に変態に取り込まれたクチね。      それはそうと、あたしはシチリア・トレダーノ。      …あんまり、馴れ馴れしく呼ばないでね?」 エド「ああ、俺はエド。よろしくな、シチリアさん」 ミル「このまま行くと変態がニックネームになりそうです…」 ザビーネ「うん、そこは否定できないかも…      ともあれ、皆揃ったから改めて始めようか」 全員「ええ」「ああ」「おう」「…ふん」
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