2章『邂逅』

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エド「はい、確か…敵対勢力との交戦を独断で放棄し、    本国に撤退した者は将校、兵卒の別なく死罪、    または全ての爵位、称号、権限、栄誉を剥奪し一兵卒とする」 シチリア「…知らないわよ、そんなの…嘘でしょ!      だとしたら、少佐は…」        ヒャルマル「残念ながらこれは、表立った法律として明文化されているんだ。       次に…これはシチリア君、君に関することだよ。       亡命者の処遇についてはどうだったかな?」 エド「はい、えっと…任務途中で他国、他勢力に逃亡を図った者は    その勢力又は国家の我が王国との交戦状態の有無にかかわらず、    アルメリア本国に籍を持つ臣民、及び王族に発見され次第    死罪、又は無期徒刑に処する。上官の命により亡命を    図った場合でも同じであり、またこれを命じた上官についても    亡命した本人と同様の処断を受けるものとする」 シチリア「嘘…嘘…どうしてよ!失敗したら終わりって事?      あたし、自分の国に帰れないの?      少佐も、まさかそれを知らなかったっていうの…!」 ヒャルマル「もちろん、悪いのは君ではない。       知るべき事を知る環境が用意されなかった事にこそ原因がある。       本国と、…余り言いたくないが、植民地では士官登用の       根本がそもそも違うんだ」 シチリア「植民地…?そんなの無いわ、我が王国は西方世界全てを      領する永遠の大国…セビリアもルテティアも、      全て我が王国の一地方なのよ!」
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