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□廊下
ヒャルマル「ありがとう…ザビーネ、あの子はどうだい?」
ザビーネ「シチリアさん?まっすぐで、すごくいい子だと思う。
言葉が刺々しいのは、どこか自信が無いのを隠してるだけじゃないかな」
ヒャルマル「その通りだね…ひねくれ屋だと思ってないようで良かったよ」
ザビーネ「どちらかと言えば、ひねくれてるのはわたしたちだからね」
ヒャルマル「それは、ごもっともだね」
ザビーネ「そう言えば…ああいうやり方をしたのはちょっと反省してる。
あそこまで知らないとは思わなかったけど、さすがに
ショックが強すぎたみたいでさ」
ヒャルマル「知る事が大事なんだよ。…誰しも、不都合な真実に
直面した直後は動揺に打ちひしがれる。
だけど、それを受け入れて乗り越えたら今まで以上に強くなるんだ」
ザビーネ「それは、わたしもだよね」
ヒャルマル「…心の準備をしておいて、損は無いよ」
ザビーネ「うん。でも、あの子がいれば大丈夫。
…父さんの情報と、わたしやミルたちの
見立てが正しければ、あの子は相当の逸材。
あとは、迷いをなくして成長すれば絶対いけると思う」
ヒャルマル「リスクを冒してまで仲間にしたんだ。
今のうちに、お互い信頼を深めておきなよ」
ザビーネ「うん、約束する。…父さん、そろそろ部屋に着くよ」
ヒャルマル「ありがとう、もう大丈夫だからね」
ザビーネ「じゃ、また晩御飯のときに」
ヒャルマル「うん、それでは」
二章「邂逅」了
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