2章『邂逅』

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□廊下 ヒャルマル「ありがとう…ザビーネ、あの子はどうだい?」 ザビーネ「シチリアさん?まっすぐで、すごくいい子だと思う。      言葉が刺々しいのは、どこか自信が無いのを隠してるだけじゃないかな」 ヒャルマル「その通りだね…ひねくれ屋だと思ってないようで良かったよ」 ザビーネ「どちらかと言えば、ひねくれてるのはわたしたちだからね」 ヒャルマル「それは、ごもっともだね」 ザビーネ「そう言えば…ああいうやり方をしたのはちょっと反省してる。      あそこまで知らないとは思わなかったけど、さすがに      ショックが強すぎたみたいでさ」 ヒャルマル「知る事が大事なんだよ。…誰しも、不都合な真実に       直面した直後は動揺に打ちひしがれる。       だけど、それを受け入れて乗り越えたら今まで以上に強くなるんだ」 ザビーネ「それは、わたしもだよね」 ヒャルマル「…心の準備をしておいて、損は無いよ」 ザビーネ「うん。でも、あの子がいれば大丈夫。      …父さんの情報と、わたしやミルたちの      見立てが正しければ、あの子は相当の逸材。      あとは、迷いをなくして成長すれば絶対いけると思う」 ヒャルマル「リスクを冒してまで仲間にしたんだ。       今のうちに、お互い信頼を深めておきなよ」 ザビーネ「うん、約束する。…父さん、そろそろ部屋に着くよ」 ヒャルマル「ありがとう、もう大丈夫だからね」 ザビーネ「じゃ、また晩御飯のときに」 ヒャルマル「うん、それでは」 二章「邂逅」了
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