1章『漂着』

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□国境付近の戦場 レッジョ・エイナウディ少佐率いるアルメリア王国軍が、 市民軍と激しくぶつかり合っている。 レッジョ「まだか!まだ援軍は来ないのか!」 シチリア「ここまでの距離からして、今日までには絶対来るはずです!!」 レッジョ「そう信じるしかあるまいな…ここを耐えれば楽になる!      皆、辛いがもうひとふん張りしてくれ!!」 国軍兵士「おぉーーーーー!!」 援軍の到来を信じて戦い続けるアルメリア軍。しかし次第に 敵兵(市民軍)に押されてゆく。 シチリア「まずいっ…もう砦の近くまで押し返されてます!」 レッジョ「ぬぅ…まだか!来るはずだろうに!!」 そこへ傭兵部隊長のカミーノが、隊を率いて現れる。 レッジョ「どうした、カミーノ!お前たちの部隊は後詰めで      砦を守っているはずだろう?」 カミーノ「レッジョ少佐、最初から援軍なんて来やしませんぜ」 レッジョ「なんだと?」 カミーノ「王国上層部としては、オトラントなんざお荷物でしかない地域。      余分な正規軍を派遣したくないから、俺たちがおまけで来てたってわけさ」 シチリア「…!司令官に対して、どういう口のきき方してんの?      それに何であたしたちが知らないことを、お前が知ってるのよ!」 カミーノ「はん、忠誠心たっぷりの石頭にはやっぱり想像がつかないのかねぇ。      俺たち傭兵を左右するものは利益と情勢、この二つだけだ。      …お前ら!俺たちはこれから市民軍の側につくぞ」
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