1章『漂着』

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レッジョ「くそっ!!…シチリア、撤退だ!」 シチリア「少佐!それは出来ません!」 レッジョ「無駄死にしたいのか…もともとわれらの兵力の半数が傭兵部隊だ。      数の上ではもちろん、歴戦の彼らが敵に回れば勝ち目はない!」 シチリア「どうしてそんな…少佐はもっと、骨のある人だと思ってたのに!!」 カミーノ「ほれ、早く決めたらどうだ。撤退か、降伏か?それとも抵抗か?      俺たちはそんなに気が長くないんだ、迷ってたら容赦なく叩き潰すぜ」 レッジョ「分かった…ここは死に物狂いで抑えて見せよう。      その代わりシチリア!上官として命ずる。お前は逃げろ!!」 シチリア「なぜですか!みんなを捨てて逃げろって言うんですか?」 レッジョ「お前は士官となってからまだ日も浅い…      この軍勢とまともにぶつかって、生きて帰れる保証はない!!」 シチリア「だからって、全てを捨てろって言うんですか!      敵に背を向けろなんていう命令、あたしは聞けません」 シチリア、剣を抜こうとするがレッジョに 機先を制され、逆に剣を突きつけられる。 レッジョ「どうした…ここで逆らっても何の意味もないぞ」 シチリア「…っ」 カミーノ「結論は出たかい?うちの子飼いどもがぴりぴりしてますぜ、少佐」 レッジョ「行け。…行かぬのなら、私がこの手で」 シチリア「…少佐…また必ず、会うって約束してくださいね。      シチリア・トレダーノ少尉、上命により隊を抜けさせていただきます…!!」 レッジョ「ああ…行け!!」 シチリア、涙を浮かべて馬を走らせ去ってゆく。 カミーノ「気丈な姉ちゃんだな…抜けさせて良かったのか?」 レッジョ「気合だけは入っているが、ただのヒヨッコだ。      居ないほうが存分に戦えるというものさ」 カミーノ「俺にはなかなかでかくなりそうなヤツに見えたがなぁ。      ここであえて見逃すって言うことは、そういうことだ」 レッジョ「知ったような口を利くな…かかってくるが良い!!」 カミーノ「ふん…もう勝負は見えてるんだよ。行くぞ、お前ら!!」 傭兵部隊/国軍兵士「おぉーーーーーーーー!!」
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