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□ファレン地方、カルデン周辺の細道
隣町からカルデンへの細道をエドムント・ベック(エド)が
歩いている。
エドムント「近道、近道っと…」
エドムント「ん?なんだありゃ」
道を取り囲む木々の中にちらりと見えた軍服。
エドムント、そちらに近づいてゆく。
―そこには一人の女性が、意識もなく倒れている。
エドムント「…!!おい、大丈夫か!」
□カルデン市内、ミルドレッド・シュタインマイアー(ミル)の家
苔むしたテーブルで、きのこたっぷりのスープと
ブルーチーズを塗りこんだパンを二人の女性が食べている。
ザビーネ「ミル、誰か新しい仲間は見つかりそう?」
ミル「無理です♪」
ザビーネ「ごめん、わたしもなんだ」
ミル「私たち、一歩外へ出れば変人扱いですもんね」
ザビーネ「うん、その自覚はある。でも譲る気はないよ。
…ファレンは、いずれ一つにならなくちゃいけないんだ」
ミル「私たちだけでも行動を始めたいところですけど…
正直、もう一人ぐらいは協力者がほしいですね」
ザビーネ「そうだね、あきらめずに探さないと。
…んっ!!何この匂い…??」
ミル「あっ、今日のパンには裏表にたっぷりと
ブルーチーズを塗ってあるんです」
ザビーネ「せめて片方だけにして…いくらわたしでも
ミルと同じ境地に達してるわけじゃないんだよぉ」
ミル「何言ってるんですか。これほど女らしくてたまらない香りの食べ物なんて、
ほかにないですよ?」
ザビーネ「ミルー、ちょっと目つき危なくなってるよー」
ミル「いつものことじゃないですか♪…あら?」
と、ノックの音。
ザビーネ「どうしたの?」
ミル「誰か、入り口に来てますね」
ザビーネ「わたしが見てくるよ」
ミル「すみませんね」
ザビーネ、ドアを開ける。
―そこには、シチリアを背負ったエドムントが立っている。
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