未来眼鏡

2/5
前へ
/5ページ
次へ
今日は会社の存続に関わる大事なお客との会議だった。 余計な発言をし、お客に取引停止、かつ出入り禁止とまで言われ、上司には大激怒された。 憂さ晴らしに飲んだ帰りに、駅のベンチで寝てしまっていたようだ。 眼鏡に手を伸ばし、見てみるとなかなか良い物の様だ。 何気無くかけてみる。 ピッタリだ。 度が入っておらず、だて眼鏡だった。 線路の方に目を向けると男が1人立っていた。 っと気付いた瞬間、その男は線路に飛び込んだ! 眼鏡をしているせいか、視界があまりよくない。 眼鏡をはずし、周りを見渡すと、そこは何も変わらない普段の駅だった。 寝ぼけていたにしてはリアルな映像だった。 眼鏡を返しに席を立った。 駅員に返しに行く途中に1人の女性とすれ違った。 スレ違い様、微笑みかけられた気がしたが、気に止めずそのまま駅長室に向かい、部屋に入ろうとした瞬間、電車のけたたましいブレーキ音と共に悲鳴が聞こえてきた。 部屋から飛び出す駅員と共に見たものは、先程すれ違った女性が飛び込み自殺をした光景だった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加