142人が本棚に入れています
本棚に追加
「真衣~~! こっち、こっち♪」
なんて。
わたしを見つけて、超ご機嫌。
サングラスを外して、胸ポケットにしまい込み、そのキレイ過ぎる素顔をさらした挙げ句。
嬉しそうに手をぱたぱた振ってる自分が、どれだけ目立つ存在なのか、無自覚、みたいだ。
今まで、星羅に見とれていたヒトビトが、わたしの方に向けて、ずざざざっと音を立てて視線をずらし。
次の瞬間。
全員が思った『なんだ~~』っていう残念そうな呟きが。
思ったよりも大きな声になって、わたしの耳に届いた。
え~~ん。
どうせ、わたしなんて、星羅とは、つり合わないわよ!
やせっぽっちで、胸ないし!
視力悪いから、メガネだって分厚い、ぐるぐるレンズだし。
唯一、星羅と似ているのは、腰まである髪の長さだけ。
もちろん。
わたしの髪は、金髪でも赤や青のメッシュが入ってるわけでもない。
力一杯、フツーの日本人を主張しているごわごわの黒髪が。
わたしの通う高校の校則にのっとって、きっちりみつあみになってるだけなんだもん。
なんで、とびっきりのイケメンの彼女が、この女なんだ?
……みたいな。
周りからの視線と、無言の圧力がイヤ~~
お家に帰りたくなるよ~~
最初のコメントを投稿しよう!