34人が本棚に入れています
本棚に追加
「何か顔赤くない?大丈夫?」
俯いた私の顔を覗き込みながら彼は言う。
「何か暑くない?
それに、私もともと顔赤いし。普通だよ?」
…もう、理由なんか言えるわけないじゃん。
私は心の中で、そう毒づきながら彼から逃れる。
「んー、確かに暑いかもな。」
彼はそういってまた前を見て歩き出す。
「……鈍感。」
彼に聞こえないように小さな声でそう呟き、私も彼に合わせて歩き出す。
しとしとと降る雨は私の左肩を濡らす。
…傘、案外小さいな。
家に帰ったら制服ちゃんと乾かさなきゃ。
私はそう思いながら、また彼の右肩を確認した。
最初のコメントを投稿しよう!