相合い傘

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私の左肩は濡れて冷える。 だけど、彼に近い右肩はどんどん熱くなる。 勉強のこと、クラブのこと、友達のこと。 他愛もない会話は続く。 彼との2人の楽しい時間が過ぎるのは早い。 別れ道に来る。 「じゃあ、また」 彼は傘から出ていこうとする。 「うん…。 ねぇ、やっぱり家まで行こっか? 距離そんなにないし、濡れちゃう。」 私は彼ともっと一緒にいたくて雨を言い訳にする。 「いや…さすがに…」 「でも…」
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