950人が本棚に入れています
本棚に追加
レイチェルが笑うのをDrフナコシは冷ややかに眺めた。
彼は今でも思い出すのだ。姉の最後の一年の事を。あっという間に老いて、死んでしまった。その彼女が言い続けたのだ。
「みつくん、柏崎先生が言ってたの『医学は決して歩みを止めてはいけない』って。私もそう思う、もしかしたら、私はとんでもない事をしてしまったのかもしれない。みつくん、見届けてね」
姉はとても美しいひとだった。心の強い人だった。医師を志した時に目指したのはGDSの解明だった。しかし、姉の言葉を何度もかみしめるほどに、姉の言いたかったことは本当は恐ろしい予言なのだと悟ったのだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!