暗闇と流れ星4

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違和感に気が付いたのは、寝坊したからなのだろう。 いつも始業のベルに急かされ失っている睡眠時間を少しでも取り戻そうと、夏休みに入ってからは、部活に入っていないせいもあってか「夏眠暁を覚えず」といった状況だった。 さて、レベル1の夏休みの宿題を片付け終えた8月2日。 明日からの予定を布団の中で組み上げたが、「良いや、明日考えよう。」という結論に至ったので、翌日を目指して眠りの海へ意識を手放した。 そして、永く漂流した挙げ句に上陸した8月3日の午前10時。 その日は夏らしい湿った暑さに包まれて。 蝉の声が響き渡って。 時間的に、容赦無く紫外線を放出しているであろう空は、寝る前よりも暗かった。
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