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心地よい風と五月蝿い車の音と人々の賑やかな話し声と足音
全てが僕の存在全てを否定するかのように動き続けている
目覚めたときには既に昼頃になっており、肌寒い風が俯いていた顔を滑るように流れていく
不意に立ち上がり僕は歩道を渡ろうと足を動かす
僕はここで初めて自分の影が消えていることに気づいた
影はなく、本来ある場所には何故か小さな黒点だけが、僕の体の中心にあった
しかし、既にどうでもいいと感じてきた僕は影を見ず、横断するため、足を踏み出す
通る人々は時々人の顔をみて驚いている
いや恐らく僕の後ろのなにかを見ているのだろう
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