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確かに...
確かにそうだが、危険な目に会うのはごめんだ。
「仕事...探しているのですよね?今なら、貴方にぴったりの仕事をご紹介させて頂けますよ」
『いや、でも...』
「でも?」と、黒野は首を傾げた。
そんな少しの動作でも恐くなってきた。丁寧過ぎる言葉使いが、より一層それを引き立たせている。
『すみません。確かに、お金を稼ぎたいのは山々ですが、俺...危ない仕事とかそういうのは...』
顔を伏せ、勇気を出して言ってみた。
ろくに質問もせず、会って数秒で仕事の話をするなんて、とてもまともな仕事とは思えない。
犯罪まがいの危険な仕事...または、過酷な労働のどちらかだろう。
正直、過酷な労働条件の仕事であれば、さっきの職安でも一度は提案されていた。
それが嫌だから、見つからないのだ。
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