―押せ―

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『名前と生年月日だけでいいんですか?』 「はい」と、笑顔で返事をされたが、どうも不思議でならない。 普通、簡単な履歴書のようなものを書かされるはずだ。 確かに、広告にはやる気があればオッケーなどと書かれていたが、そんなものは建前ってもんだ。 まぁ、きっと後で聞かれるのだろう... とりあえず、名前と生年月日を記入し、バインダーを返した。 「それでは中野様、奥の部屋へどうぞ」 手のひらを向けられた先には、黒い扉が一枚。 白い壁紙とは相反して、どこか異様な雰囲気があった。 .
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