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この時点で、かなり怪しい。
見かけもそうだし、くろのらんせ?という名前だって、絶対に本名じゃないはずだ。
ひょっとしたら自分は、危ない場所に足を踏み入れてしまったのかもしれない。
自分から来ておいてなんだが、どうにか理由をつけて帰ろう...
そう思い始めたときだった。
「中野様...貴方、借金がおありのようですね」
『えっ』と、思わず声をあげた。
「いや、お答えしなくて結構です。ですが、なかなか返すの大変でしょう。特に高利貸しなら尚更だ」
『どうしてそれを...』
知っているのか?と、言おうとしたのを黒野は手のひらを向けて、それを遮った。
「そんなことはどうでもいいんです。それよりも、今の貴方にとって大事なのは、どうやって金を稼ぐか...違いますか?」
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