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「プッシュマンの仕事は以上です」
『えっ、ちょっと待ってください。仕事ってこれだけ?』
「そうです」と、黒野は当たり前のように頭を垂れた。
そんな訳がないだろう。ただボタンを押すだけの仕事など聞いたことがない。
それ以前に、こんなものはわざわざ人を雇ってまで行うことじゃないだろう。
『ちょっと冗談でしょう?こんなの仕事にならないじゃないですか』
「いいえ立派なお仕事でございます。いいですか?一口に仕事と言っても様々あります。そして、どんな仕事にもそれに対して、それぞれの役割というものがございます」
ですから...と、黒野は指を立てた。
「プッシュマンはある過程の中で、ボタンを押すという、重要な役割になる訳です」
ある過程?
『なんですかそれ』と、尋ねると黒野は黙って人差し指を左右に振った。
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