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全く俺って奴は馬鹿だな。
異世界での小さな出会いを大切にしたいのか今、俺は会って間もないロイドを助けようと頑張っている。
俺は図書室から借りてきた魔導書を捲る。
この国の文字は驚くことに日本語で、世界の公用語になっている。
我ながら随分と日本人に都合のいい異世界だと思う。
ふむ……
ロイドを虐めている奴の属性は炎一色。
特徴としては瞬間最大攻撃力に優れていることか……
一年生でまだ1ヶ月も経っていない状態の学生が何処までの魔法を使えるやら……
明確な区分けはしてないがページが進むほど強力な魔法が書かれている。
取りあえず魔法の軌道を覚える必要があるな。
イジメを止める方法はただ一つ。
俺がロイドを虐めている奴に勝つことだ!
「ぐっ……」
校舎の死角になる場所。
そこでロイドは赤髪の少年とその取り巻きから暴行を受けていた。
「生意気な目をしてるなぁ……分かってんだろうな?俺様に逆らえばお前の家族が路頭に迷う事になるんだぞ?」
ロイドの家は貧乏で、日々の生活を生き抜くだけでも大変である。
ロイドは両親の為に死ぬ気で勉強をして、奨学金制度受けてこの学園に通っている。
本来こんな相手に負けるような奴ではないらしい。
「こやし玉ショット!」
俺はその赤髪に向けて花壇に使うこやしを思いっ切り投げつけた。
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