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こやしは見事赤髪の頭に命中する。
周りの取り巻きは鼻を押さえると赤髪の怒りを買うと思ったのか、鼻を押さえずに臭いから逃れるため少し赤髪から距離を取る。
「誰だぁああ!俺様をノストラル家の次期当主と知ってのことかぁ!!」
動物の排泄物ブン投げたんだ。
キレてもらわなくは困る。
「フッ……俺は通りすがりの若き用務員!坂田航だ!!」
なるべく大声を出して騒ぎを大きくし、ギャラリーを集める。
この場所は死角と言えど周りの教室にはよく声が響く。
「掛かってこいよ貴族のボンボン!魔法なしで相手してやんよ」
「キサマぁ!!」
赤髪は怒りに身を任せて火の玉を発射してきた。
こいつの軌道は直線!
「速っ!」
しかし想像してたのより数倍速く、避けきれずに左手に掠ってしまう。
熱い!
掠っただけなのに左手の皮膚の一部が焦げ付いてる。
「死ね死ね死ね死ね!」
相手は下手な鉄砲数打ちゃ当たる戦法なのか火の玉を乱射してくる。
「馬鹿の一つ覚えだな!」
と、挑発してみた物の赤髪の攻撃が効果的なのは変わりない。
俺は身体中火傷が出来ていくのを感じながら相手の懐へ飛び込む。
「ダラッシャアア!!」
俺は懇親の右ストレートを赤髪の顔面に叩き込む。
「キサマ、俺様の顔を殴ったな!父上にも殴られたことないのに!」
「だから?」
俺はもう一発叩き込むために拳を構える。
「ワタル!危ない!」
ロイドがそう叫ぶ。
俺の視界は炎の赤一色に染まっている。
しまった!
俺は近接用の魔法があることを見逃していた。
俺は咄嗟に腕をクロスさせて炎を防御する。
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