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「クク……クハハハ!どうだ!俺様の炎は!」
「全然ヌルいな」
俺はクロスさせた腕を下ろす。
全身丸焼きにされて、熱いのか痛いのかよく分からない。
「なんだとぉ!!ならもう一度焼き尽くしてやる!!」
「ウオオオオオオオ!!」
動け!動いてくれ!
こんな所でくたばる訳にはいかないんだ!
赤髪の手から火炎放射が出る。
「奇跡よ起こりやがれ!」
俺の叫びも虚しく俺の身体は灼熱の炎に包まれ、その場から完全に消失した。
「クハハハ!俺様に逆らうからこうなるんだ!」
俺は馬鹿笑いしている赤髪に声を掛ける。
「何処見てんだ?クソ野郎」
俺の方に振り返って驚愕に染まる赤髪の顔にヘッドバッドを繰り出した。
地に崩れ落ちる赤髪を見て、俺はギャラリーに向けてこう叫んだ。
「あいむうぃなー!!」
あの後気絶したのか気が付いたら俺は学園の医務室のベッドの上に寝かされていた。
起きて早速だが……
「オェェエエエエ!!」
医務室の先生が俺に回復魔法を使ってくれたせいか、赤髪の魔法のせいで体内に魔力が大量に入ってしまったらしく、起きて早々に吐き気MAXだった。
「あわわわ……起きちゃいましたか……」
どうやらメリエさんが俺の看病をしてくれていたらしい。
「あのーワタルくんがノックダウンさせちゃった生徒の父親が来ちゃって大変なんですよー!それでここの用務員を連れて来いって言ってるんです!」
「じゃあ行きましょうか」
「ままま待って下さい!行ったら逝くことになるかもしれないんですよー!」
俺はメリエさんの制止を振り払って理事長室に向かう。
「お呼びでしょうか?」
理事長室の扉を開けて中に入る。
そこには赤髪と赤髪の父親、それと理事長がいた。
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